FC2ブログ
2018年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

2018.08.14 (Tue)

web再録のお知らせとCV様募集について【追記あり】

2011年に発行したコピー誌「お金を稼ごう♪」をweb再録しました。
(2014年に発行した短編集にも収録されています)

読み返したら色々と酷くてぐおお…となったのですが、あえてほぼ当時のままのUPです。

【内容】
カノンが宿代くらい自分で稼ぎたい!と働こうとするのをラグが猛反対するお話です。
いつもの4人と1匹です。どうぞよろしくお願いしますー!

サイトで読む。
pixivで読む。

8/20 いつぞやの裏本(※R18)はムーンライトノベルズさんの方にUPいたしました。大人な方は探してみてください。



先日Twitterの方にちらっと呟いたのですが、久しぶりにイメージCV様を募集したいなと考えております。
一先ずは第4部に登場するドナ・ツェリウス・クラヴィスの3人です。

でも本当に久しぶり過ぎてメインキャラ達を募ったあの頃のように応募してくださる方がいらっしゃるのか不安しかなく…もう少しちゃんと準備をしてからにしようと思います。(主に心の準備)

決心がついた際にはまたきちんとお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします<(_ _*)>💦
22:39  |  日記  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2018.08.12 (Sun)

My Favorite Song ~銀のセイレーンの歌~ 第六部 2-2


「で、でも、聞き間違えかもしれないし」
 セリーンが愛剣を手にベッドから下りる。
「セリーン?」
「念のためだ。外を見てこよう」
「なら私も行く!」
 この状況でひとりで待っているなんて逆に怖い。
 慌ててベッドから下りセリーンと一緒に船室を出た。
 廊下の窓に視線をやるもやはり外は真っ暗。月も出ていないみたいだ。
 隣のラグの部屋の前を通り過ぎながら声を掛けようか少し迷ったが、聞き間違えだったら悪いのでそのままセリーンについていく。
 昼間とは違い人気の無い食堂を通ってドキドキしながら甲板に出る階段を上って行く。
 セリーンが扉を開けると途端に湿った海風が乱暴に頬を撫ぜた。
 やはり空に月は無いようで星だけがちらちらとまたたいていた。
 昼間あんなに太陽を反射し輝いていた海も今はただ闇が広がるばかりで寒くもないのにぶるりと震えが走る。
 甲板に出てそんな空との境界がわかり辛い海を見渡してみるが他に船のような影は見えない。それに耳に入ってくるのは船に当たる波音と船体の軋む音だけで歌声なんて聞こえなかった。
「ごめんね、やっぱり気のせいだったみたい」
 そう謝ったときだ。セリーンがぱっと船尾の方に視線を移した。
「誰か来る」
「え!?」
 ぎくりとしてそちらに意識を向けると確かに足音が近づいてくる。
 セリーンが剣の柄を握るのを見て私はその後ろに隠れた。
(まさか幽霊? で、でも、幽霊だったらきっと足音はしないだろうし、じゃあ――)
「うえっ!?」
 私たちの前に現れ素っ頓狂な声を上げたのは、乗組員の帽子を被った男の人だった。
 なんだぁ、と大きく胸を撫で下ろしているとセリーンも剣から手を離した。
「ど、どうされたんですか。こんな夜中に」
 彼は驚いたせいでずれてしまったらしい帽子を慌てて被り直しながら私たちに訊いた。
 暗いせいではっきりとはわからないが、声の感じからして若そうだ。私とそう変わらないかもしれない。
「夜風に当たりたくなってな。そちらは見回りか?」
「はい。今夜の当番なもので」
「大変ですね。お疲れ様です」
 私が言うとその人はにこやかに笑った。
「ありがとうございます。海に落ちないように気を付けてくださいね」
 彼は一礼してから私たちの横をすり抜け軽い足取りで階段を下りて行った。
 ――あれ?
 その後ろ姿には覚えがあった。
「どうした?」
「あの人、昼間食堂で船酔いしてた人じゃないかな」
 カウンターに突っ伏してしまっていたから確実ではないが、新人だと言われていた男の子。
「そうか?」
「若そうだし……でも船酔い治ったみたいだね。良かった」
 私のように漸く揺れに慣れたのかもしれない。
「特に問題はなさそうだな。船室に戻るか」
「あ、うん。ホントごめんね」
 私はもう一度謝ってからセリーンと共に船室へと戻ったのだった。


 To be continued...



以下反転であとがきです。
♥ More..Open
21:48  |  小説【My Favorite Song】  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2018.07.09 (Mon)

My Favorite Song ~銀のセイレーンの歌~ 第六部 2-1

 その夜。ずっと横になっていたせいかなかなか寝付けず、私は何度もベッドの上で寝返りを打ちながら昼間聞いた幽霊船の話を思い出していた。
(歌声かぁ……エルネストさんも昔はこのレヴールにも歌が溢れてたって言ってたし、だとしたらやっぱりその頃の幽霊……?)
 私は小さく頭を振りながらもう一度寝返りを打った。
(でも、そのエルネストさんだって、もしかしたら……)
 セリーンが昔見たというエルネストさんの絵。もしそれが本当に彼を描いたものだとしたら、もうこの世に存在しない人かもしれないのだ。
 幽霊とは少し違う。でも、すこし正解。……確か、初めて会ったとき彼はそう言っていた。
(やっぱり、エルネストさんは……)
「眠れないのか?」
「!」
 掛けられた声にびっくりしてそちらを見れば、セリーンが心配そうに私を見ていた。
「また気分が悪くなったか?」
「あ、ううん、違うの。ちょっと考え事してて……ごめん、起こしちゃった?」
「いや、私も考え事をしていた」
 その答えにほっとする。
 ――ちなみにラグとブゥはすぐ隣の船室にいる。
 ブゥは流石に周りが海では外出は叶わず、部屋の中をつまらなそうにふわふわ飛んでいると昼間ラグが言っていた。
「昼間の幽霊船のことか?」
「うん。あとエルネストさんのこと」
「あの男か。……エクロッグで何か手掛かりが掴めるといいがな」
 私は頷く。
「セリーンはどんな考え事?」
 訊くと彼女は優しく微笑んだ。
「昔のことだ。エクロッグへ戻るのは久しぶりだからな」
(あ……)
 ――そうだ。今こうして向かっているエクロッグはセリーンの故郷。今は存在しない国。そこで彼女は家族を失ったと話していた。
「セリーンは昔、どんな子だったの?」
 気が付けばそんな質問をしていた。
「私か?」
「うん、昔から強かった?」
 するとセリーンは苦笑しながら首を横に振った。
「いや、普通の娘だったな。どちらかと言えば大人しい方だった。外で遊ぶよりも家の中にいる方が好きだったしな」
「へぇ!」
 意外なセリーンの子供時代を知って私は思わずそう声を上げていた。
 こういうとき、ついアルさんがもしこの場に居たらと思ってしまう。きっと目を輝かせて聞いていたに違いない。
「その頃から花が好きだった?」
 アルさんが別れ際に贈った赤い花を、彼女が押し花のようにして大事にとってあることを私は知っている。
「あぁ。母が好きでな。その影響で覚えたな」
「あ、私のおばあちゃんも花が好きでね、私の名前に花の意味の字を入れてくれたの」
「そうだったのか。カノンという名にはそんな意味があるのだな」
「うん! あー、でも私は花の種類にはあんまり詳しくないかも……」
 そんな、取り留めの無い話をしているときだった。
 ずっと繰り返し耳に入ってくる波音と船体の軋む音に混じってその“音”を聞いた気がして私は咄嗟にドアの方を見やった。
「どうした?」
 私の突然の動きにセリーンの声に緊張が走る。
「今、変な音……ううん、声が聞こえた気がして」
 私は起き上がりながらドアに取り付けられた小窓の向こうを見つめたが真っ暗で何も見えない。
 今聞こえるのは波音と、船体の軋む音と、自分の心臓の音だけだ。でも確かにさっき……。
「声?」
 セリーンの問いに私は頷く。
 とても高い声だった。まるで……。
「女の人の、歌声みたいな」
 声に出したら急にぞっと寒気がして私は慌ててセリーンの方を見た。


⇒次話
01:32  |  小説【My Favorite Song】  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT