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2006.02.26 (Sun)

異世界トリップ物語 ~My Favorite Song~ 0

とある森の奥深く。

「きゃあ!!」

目の前に迫った鋭い爪。
私はつい逃げるのも忘れその場で目を瞑る。

「カノン!!」

その声と同時、ぐんっと後方に引っ張られる。
寸前を掠めていく爪。
だがおかげで私は尻餅をつくはめになった。

「いっつ~……」
「アホ! すぐ立て!!」

頭上から怒鳴られ私は焦って立ち上がる。
――そうだ。こんな程度で痛がっている場合じゃなかった。
だって、今はいつ命を奪われかねない、“戦闘中”なんだから。

「おい! てめぇいい加減剣くらい抜け!!」

先ほど私を助けてくれた彼が、背後にいる仲間に向け怒鳴る。
今敵は二匹いる。
すばしっこく動く大きな山猫のようなモンスターだ。
先ほどからすばやい動きで私たちの周りを飛び回り、いつ攻撃がくるのか一瞬の油断もできない。なのに。

「嫌だ」

返ってきたのはそんな素っ気ない一言。

「あぁ!?」
「ふん。誰が貴様などに手を貸すか……」

えらく不機嫌そうにブツブツ言っているその人物は、この戦闘中に平然とその場に突き出た大きな岩に腰掛けていた。
燃えるような赤い髪と男顔負けの長身。鍛えられている上に出る所は出て引っ込むところは引っ込んだ女らしい身体。
そしてはっとするような美貌の持ち主。
“クールビューティー”という表現が良く似合う、彼女は熟練の女剣士だ。
彼女はここのところずっと不機嫌であり、その機嫌を良くするにはある条件が必要だった。
そして今その条件は無い……。

「貴様が魔導術を使えばそんな奴等一発だろう」
「~~カノン!!」
「は、はい!!」

私は急に呼ばれて慌てる。

「“歌”だ!」
「え! 何の!?」
「なんでもいい! こいつらの動きを鈍らせろ!」
「わ、わかった!!」

私は急いで考える。

(えーっと、動きを鈍らせるってことは……眠くさせちゃえばいいんだ!)

私はすーっとおなかに息を吸い込み歌い始めた。


 ♪ ねむれ ねむれ……


子守唄を歌い始めた瞬間、私の長い髪が銀色に輝く。
少ししてモンスターたちの足が乱れ始めた。
それを確認した彼はナイフを振りかざしモンスターの方へ向かっていく。
彼の尻尾のような黒い髪が彼の動きに合わせてゆれる。

「ギャ!!!」

まずは一匹。
と、もう一匹が彼の後ろに迫った!

「ラグ!!」

私は歌うのを止め叫ぶ。
それに気づき後ろを振り向く彼。
だが、間に合わない!!

「ギャゥ!!」

その断末魔の声に私は思わず目を塞ぐ。
しかしその声は彼のものではなかった。

「貴様に死なれるとあの子に会えなくなるではないか」

そう言って血の付いた長剣を払うセリーン。
その足元ではモンスターが無残に横たわっていた。

「だったら最初から手を貸せ!!」

彼、ラグが赤い顔で怒鳴る。
だが彼女はやはり不機嫌にふんと鼻を鳴らしただけで剣を静かに柄に戻した。
セリーンがピンチになるまで助けてくれないのにも“わけ”がある。
私はその理由に苦笑するしかなかった。


――私の名前は「カノン」。
日本では「華音」という字を書いた。

でも“此処”は日本じゃない。未だに信じられないけれど、地球上のどこでもない。
まるでゲームの中のような世界。

私は今此処にいる。

……この異世界に……。



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以下あとがきです。
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テーマ : 自作小説(ファンタジー) ジャンル : 小説・文学

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