ゲーム制作状況

2007–08–31 (Fri) 02:29
ゲーム体験版の配布予定より遅くなっております(汗
待ってくださっている方本当に申し訳ありません!
9月には公開できると思いますので、もう少しだけお待ちくださいませ!

完全版の方のキャラボイスが少しずつ届きつつあります。
毎度思うのですが、自分の考えたセリフを言っていただけるのって本当に幸せ〜♪


あ。少しだけゲーム中のセリフ公開しますね!
意味深なセリフだけ挙げてみたりして(笑)

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レヴール世界設定

2007–08–29 (Wed) 03:40
この物語はカノンの一人称になっているため、なかなかレヴールの世界観が見えて来ません。
じょじょに見えてくる感じで書いていくつもりなのですが、いかんせんのろのろペースなので、
とりあえず分かっているところまでまとめてみました!


随時更新していこうと思います^^
あ、登場人物も更新しましたので良かったらチェックしてくださいね♪
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My Favorite Song 27-3

2007–08–27 (Mon) 11:04
「とても素敵な歌だったよ、カノン」

久し振りに聴く彼の優しい声音に、一度緩んでしまった涙腺がまた溢れそうになる。
彼の笑顔とその声はいつも私を不思議と安心させてくれる。
まだ数回しか会っていないのに、なんでこんなにも胸があたたかくなるのだろうか。

…この気持ちは、歌っているときの気持ちに良く似ている気がした。

彼は優しく微笑み続ける。

「さすがは銀のセイレーン。…出来るなら、ずっと聴いていたいくらいだ」

―そうだ。
もしさっきの歌が、【銀のセイレーン】として何らかの効果をもたらしたのだとしたら、それはきっと私自身にだ。
故郷を想う歌によって、きっと私は軽くホームシックにかかってしまったのだろう。
だから先ほどからこんなにも泣きたい気分になっているのだ。

「あ、ありがとうございますっ」

私は今にも崩れてしまいそうな顔を隠すように、深く頭を下げる。
今泣いたら止まらなくなってしまう気がした。
私はぎゅっと目を瞑って下唇を噛む。

「ねぇ、ラグ。君もそう思っただろう?」
「うるっせぇ!ふざけたこと抜かす前に、いい加減てめぇがどこに居るのか教えやがれ!!言うとおりにこうして大陸を出てやったんだ!」

あの時と同じでラグの剣幕は凄まじい。
…お蔭で、零れそうになっていた涙が引っ込んだけれど。

なのに、言われている当の本人は全く動じていないよう。
それどころか、彼は可笑しそうに小さく肩を震わせた。

「そうだね。驚いたよ、まさかいきなりフェルクレールトに来ちゃうなんてね。…でも残念。この国に僕は居ないよ」
「ならどこに居やがんだ!!」

ラグがイラついたようにもう一度怒鳴る。
私も喉をゴクリと鳴らして彼の答えを待った。

相変わらずキレイな笑顔で彼は言う。

「僕が今それを答えたら、君はどうするつもりだい?」
「決まってんだろ。すぐにでもこいつ連れてそこまで行ってやるさ」
「だろうね…」

言いながら、エルネストさんは小さく苦笑した。

「なら、まだ教えてあげない」
「んだと!?」
「そんなに早く答えがわかっちゃったら、面白くないだろう?」
「てっめぇええ!!」

にっこり笑って言う彼にラグは拳をわなわなと震わせ今にも飛び掛りそうな勢いだ。
…私も驚いていた。
やっぱり彼はただ優しい人、というわけではないようだ。

そして気づく。
金色の月が映る水面に、同じように映るはずの彼の姿は、ない…。

「ヒントはいくつか出してあげているんだ。あの赤毛の彼女も、僕のことを知っているようだしね」

と、彼が再び私の方を向く。
その瞳はやっぱり優しくて、私にはなぜかラグのような怒りが全く湧いてこなかった。
私だって、早く彼の元へ行って、早く元の世界に帰りたいはずなのに…。

「ごめんね、カノン。僕はね…君にもっとこの世界を見て欲しいんだ」
「え?」

(この世界を…?)

「本当は、君を早く元の世界に帰してあげたい。僕も早く此処から出たいしね。…けど、僕も君の歌を聴いて、もっと聴いてみたくなった。
君がこの世界で何が出来るのか、何を変えられるのか…、見ていたくなった」

真剣なその眼差しに顔の熱が上がる。

ライゼちゃんにも同じようなことを言われたけれど、また違う。
なんて言って良いのかわからない。

…とにかく、全身が熱かった。


だが、横からの舌打ちに私はびくりと肩をすくめる。

「どいつもこいつも…!こいつに何が出来るってんだ!?アホらしい!そんなことで変わる世界なら、とっくに変わってる!!」

憎々しげな怒鳴り声。

(ラグ…?)

慣れてきたと思っていたのに、私は久し振りに彼を…ラグを、“怖い”と思った。

エルネストさんがふぅと溜息をつく。

「ラグ、カノンが怯えているよ」
「!」

瞬間、ラグと目が合う。
でも彼はすぐにその視線を外すと、もう一度小さく舌打ちをした。

「っと、そろそろ時間だ。僕は消えるよ。…カノン、頑張ってね」
「は、はい!」

なんとか、返事をすることだけは出来た。
彼はそんな私ににっこり微笑んで、いつものようにすーっと消えていってしまった。


……そしてまた、ラグと二人きり。

しかも、なぜかとても気まずい雰囲気。

「あ、ありがとう、ラグ。術のコツ教えてくれて。もう、戻ろっか!」

私が明るく言うと、彼はさっさと背を向け歩き出してしまった。
…こちらを見てもくれない。

私はぎゅっと両手を握って彼の背中に向かい、言う。

「私も、自分に何が出来るって思ってるわけじゃないけど…、この国でライゼちゃんのために出来るだけのことをしてあげたいの!…ラグにとったら、迷惑かもしれないけど…」

と、そこで彼が足を止めてくれた。

「無理だってわかったらさっさと諦める。…そう言ったこと、覚えてるよな」
「うん!わかってるよ!!」

私は大きな声で答える。
ラグはやっぱりこちらを見てはくれなかったけれど、私はほっとして彼の後ろについて歩き始めた。


そうして、私はテントへ、ラグはラウト君のいる家へと戻る。

…その夜は気持ちが高ぶって、なかなか寝付けなかった。


NEXT


以下あとがきです♪

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描いちゃいました!

2007–08–24 (Fri) 02:49
通販のお申込みありがとうございます!
お蔭さまで初版分(コピーだけど笑)はそろそろ完売いたします♪
木曜日までに入金の確認ができた分は金曜日中に発送予定です^^
お申込みメールには全て返信済みです。御確認くださいませ!



ななななんと恐れ多くもらんらら様宅のシーガ様と、
葉柳様宅の海璃くんを描かせていただきました!

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3万HIT!!

2007–08–21 (Tue) 23:52
サイトのカウンタが3万HIT達成いたしました!!ワ━ヽ(*´Д`*)ノ━ィ!!!!!
うわ〜ん!!嬉しすぎます〜!!本当にありがとうございますっ*><*!!

こちらのブログの方もいつの間にか2万ヒットを超えていて…><
毎日こんなにたくさんの方に遊びにきていただけて本当に幸せです!!

これからも頑張っていこうと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします!!

というわけで、キャラクターたちにもお礼を言ってもらおうのコーナー!!
あのキャラとあのキャラも参戦!!(笑)
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行って来ました!

2007–08–20 (Mon) 01:07
行ってまいりました夏コミ!!
しょっぱなから新橋駅で思いっ切りすっ転びましたが何か?(恥さらし

えぇと、例の本通販開始します! ♥ More..Open

例の本の挿絵☆

2007–08–18 (Sat) 01:41
夏コミ発行予定の本の挿絵を原さまより頂きました!!
もー!!大興奮で顔のにやけがマジで止まりませんっ*><*

以下ほんのちょっとだけ公開♪ ♥ More..Open

My Favorite Song 27-2

2007–08–17 (Fri) 02:38
私は泉の方に向かってすぅと息を吸い込む。

  埴生の宿も わが宿
  玉のよそい うらやまじ

  のどかなりや 春の空
  花はあるじ 鳥は友

  おお わが宿よ
  たのしとも たのもしや

日本名は「埴生の宿」。
元は「Home, Sweet Home」というイギリスの歌だ。
その詞には、故郷を愛する気持ちが綴られている。

…おばあちゃんの好きだった歌。
そして、私にとってはおばあちゃんとの思い出がいっぱい詰まった歌だ。

ラグの教えてくれた、「力を感じて、信じて、そして感謝しろ」の意味を理解したわけじゃなかった。
ただ、さっきおばあちゃんのことを思い出したから…。

優しくて、強くて、歌が大好きだったおばあちゃん。
共働きの両親に代わって、いつもそばにいてくれたおばあちゃん。
私のことをすごく可愛がってくれた。
そして、たくさんの歌を教えてくれた。

水面に映った銀色の髪がぼやけて霞んでいく。

今はもう、お礼を言うことは叶わないけれど。
大好きだったおばあちゃんへ、いくら感謝しても足りないこの想いを乗せて、

私は歌った。



「はぁ…」

最後まで歌い終えて、一息つく。…心地よい気だるさ。
銀色の髪が元の色に戻ると同時、やはり少し眩暈がしたけれど、立っていられない程じゃなかった。
私はいつの間にか流れていた涙を拭って、ラグの方を振り返る。

「ね!立っていられるよ!出来たかな!」
「あ?…あぁ、そうだな」

はっと気づいたように目を開けたラグを見て、私はムっとする。

「…もしかして、今寝てた?」
「ね、寝てなんかいねぇ!!」

「聴き入っていたんだよね?」

突然背後で聞こえた優しい声音にびっくりして私は再度振り返る。
泉の上に、笑顔で佇んでいたのは予想通りの人物。

「エルネストさん!!!」
「…ヤロウっ!!」

私の歓声と、ラグの憎々しげな声が重なる。
彼は以前のように、にっこりと微笑んでくれた。


NEXT


以下あとがきです♪
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戻りました♪

2007–08–16 (Thu) 22:34
この何日かまともにPC触れなくてヤバかった…orz
私ってこんなに中毒になってたんだなぁと再確認しました^^; ♥ More..Open

イラスト頂きました♪

2007–08–13 (Mon) 01:27
史間様よりセリーンのイラストを頂いてしまいましたー*><*!!!
早速サイトにUPさせて頂きました♪ふふふ〜^^
小説に続きイラストまで…本当にありがとうございました!!


以下いろいろ自作品について語りまくっております。注意! ♥ More..Open

My Favorite Song 27-1

2007–08–12 (Sun) 00:01
「万物の力を感じろ。信じろ。そして、感謝しろ。
…オレが昔、お前と同じように上手く力を扱えなかった頃、ある奴から言われた言葉だ」

(感じろ、信じろ、…そして、感謝しろ…)

私はその言葉を心の中で反芻する。

「まぁ、セイレーンは自分の力を歌にするっていうからな、少し違うかもしれねぇが…」
「うーん…じゃぁ私の場合、自分の力を感じて、信じて、感謝しろってこと?」

…いまいち、ぴんと来ない。
まだ、万物の力を感じろ、という方が分かる気がした。
ラグも困ってしまったように頭を掻いている。

「あ〜…歌のことなんざこっちはさっぱりだからな…。
つーかお前の世界じゃ、歌はどんなもんなんだ?…何のために使う?」

唐突にそう訊かれて瞬間戸惑う。
…どう説明したらいいだろうか。

「やっぱ誰かに教えてもらうんだろ?」
「えっと、うん、教えてもらったりもするけど…。なんだろ、私の世界じゃ、色んな場所で歌が流れててね…」

私はゆっくり言葉を選びながら続ける。
なんだか今度は逆に私が先生になった気分だった。…それも、なぜか新米教師のように緊張していた。

「皆で歌って楽しく盛り上がったり、あと、落ち込んだときに聞くと元気が出たりする…かな。
あ、私の世界じゃ「使う」って言い方はしないよ!こっちの世界みたいに歌って魔法みたいな力が起こるってことはな無いから」
「マホウ?」
「あ、えっと、術のこと」

今の説明で果たして理解してもらえただろうか…?
私は難しい顔をしているラグを見上げた。

「ふーん。いまいち良くわからねぇが、歌って元気が出たりするんだろ?」
「うん?」
「それは、術と同じようなもんなんじゃねぇのか?」
「あ」

言われて私はハっとする。
こちらの世界の術のように、飛ぶとか、怪我を治すとか、はっきりと目に見える不思議が起こるわけではないけれど、楽しい気分にさせてくれたり、元気をくれたり…改めて考えると歌は凄い力を持っている。

それはまるで、魔法のような“チカラ”だ…!

「…うん。確かにそうかも!歌って、やっぱすごいんだ。うわ、ちょっと感動!!」

私はひとり興奮したように言う。…いや、実際かなり興奮していたんだ。
そんな私をラグは不可解そうに見つめている。

「ありがとう、ラグ!私さっきよりももっと歌が好きになった!」
「あ!?あぁ…」
「うん。今なら出来る気がする!ねぇ!試しに歌ってみていい?」

私がはりきって言うと、ラグは一瞬ぎくりと嫌そうな顔をした。

「…いいが、こっちに影響出るようなのはやめろよ」
「あ、そうだよね…」

何にしようかと考えて…。頭にふっと浮かんだ曲があった。


NEXT


以下あとがきです♪
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ハッピバースデー!!

2007–08–10 (Fri) 16:26
今日は息子の2歳の誕生日♪
以下親バカ発動中につき注意!!(笑) ♥ More..Open

夏新刊について(追記あり)

2007–08–08 (Wed) 16:03
本編の方でなんか良い感じな二人ですが♪
ここから先は色んな意味で大人な方だけ読んでくださいね^^
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My Favorite Song 26-3

2007–08–07 (Tue) 20:52
一枚の葉が舞い降りてきて、水面に映った月が一瞬砕けた。
それを横目に見ながら、ラグが唇の端を上げる。

「…だろうな。ま、オレ達魔導術士を好きって奴の方が稀だけどな」
「え!そうなの!?」

つい、大きな声が出てしまった。

「特にあいつは、オレのことが相当気に入らないと思うぜ。神導術士なんてオレたちとは真逆の存在だからな」
「…間逆?」

私と目を合わさずに、ラグが続ける。

「術士は元々は皆同じもんだった。万物に好かれ、その力を扱える特別な存在。
オレ達はこの特別な力を、…戦争で使った」

(あ…)

ドクンっ…と胸の奥でひとつ大きな音がした。

「【魔導術士】なんてのは、戦争後に出来た呼称だ。悪魔のような術士ってな」
「私は好きだよ!魔導術士!」

知らずのうちに口から飛び出ていた言葉。
だって、ラグが…その嘲笑ったような顔が、なんだかとても辛そうに見えたから。

彼は驚いたようにその青い双眸を見開いて私を見た。

「せ、戦争は!どうしようもないと思うの!誰が悪いとか、誰が偉いとか私はそんなもの無いと思ってるの!…おばあちゃんがいつも言ってた。戦争は、誰もが被害者になるんだって…」

それは、私のおばあちゃんの口癖だった。
おばあちゃんは戦時中に、家族や旦那さん…私のおじいちゃんを亡くしている。
でもだからと言って誰を責めるわけでもなく、テレビなどで戦争のニュースが流れるたびに悲しそうに繰り返していた。

“華音、戦争はね、誰をも被害者にして、誰も幸せにはしないんだ”

私はその時代を知らない。
そしてこの世界の、ラグの言う戦争なんてもっと知らない。

…魔導術士が何をしたのかも…。

そんな私がこういうことを言うのは、間違っているのかもしれないけれど。

でも―…、

「だから!私はラグも!ライゼちゃんも!両方好き!」

一気に喋ったせいで少し息の上がった私を、ラグはしばらくポカンと見ていたが、
次第にその顔が赤くなっていくのがわかった。

(あ、あれ?)

彼は耳まで真っ赤になったその顔をバっと腕で隠して怒鳴る。

「お、お前は!そういうセリフを恥ずかしげも無く言うな!!こっちが恥ずかしくなるんだよ!」

…恥ずかしい?

今度は私がポカンとする番だった。
私は思っていることを言っただけで、別に恥ずかしいことを言ったつもりは全く無かったから。

ラグはもう一度わざとらしく咳払いをしてから、まだ赤い顔で私を見下ろした。

「も、もうその話は終わりだ。術のコツをとっとと教えるぞ!」
「は、はい!!」

…おかしかった。
いつもみたいに怒鳴られているのに、そのいつもの彼を見て、酷くホっとしている自分がいた。


NEXT


以下あとがきです♪
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My Favorite Song 26-2

2007–08–05 (Sun) 03:04
木を背に胡坐を掻いていたラグがこちらに気づき億劫そうに立ち上がる。
彼は私と同じくヴィルトさんの物と思わしき少し大きめの服を着ていた。
いつも比較的厚着な姿を見ているせいか、その涼しげな格好はなんとなく違和感があった。
走って側まで行くと、普段は隠れている腕や胸元が意外とがっしりと逞しいことに気づく。

(じゃなきゃあんな風に闘えないか…)

ふとモンスターや野盗たちと闘う彼を思い出しながら、いつにも増して不機嫌そうなその顔を見上げた。

「もしかして、そっち皆寝るの早かった?」
「あぁ、あのオヤジは家入ってすぐにぶっ倒れちまうし、あのガキもオレが戻ったときにはもう寝てやがった」

慌てる。
ということは、相当待たせてしまったことになる。

「ごめんね!こっちは二人ともなかなか寝てくれなくって…」
「で?何だよ。用は」

私の言い訳を遮るように言うラグ。

(ううっ…)

…今はあまり怒らないで聞いて欲しかった。
でないと折角の決心が揺らいでしまいそうだった。
でも、私はそれではダメだと、思い切って口を開く。

「私の、先生になって欲しいの!!」
「……は?」

私の真剣なお願いに、ラグは思いっきり顔をしかめた。
突然何をわけのわからんことを、と言った感じだ。

「だ、だからね、ほら、私歌うと動けなくなっちゃうでしょ?だから、そうならないように、術のコツ?みたいなものを教えて欲しいの!」

―そう、ビアンカに乗っている間ずっと考えていたのはこのことだった。
歌う度に動けなくなっていたのでは、どう考えてもライゼちゃんの役には立てない。

…ライゼちゃんの力になりたい…。

彼女のことを知るたび、その想いは強くなっていた。

「前にラグが、自分も昔そうなったって言ってたから…、なんか良い方法知ってるかと思って!」
「………」

…やっぱり「めんどくせぇ」とか言われてしまうだろうかとドキドキしながら彼の答えを待つ。
ラグはそんな私を半眼で見下ろしていたが、少しして小さく溜息をついた。

「そうだな。お前が歌を使いこなせるようにならねーと、こっちも困る」

その言葉にほっと胸を撫で下ろす。

「ホント!?ありがとう!!」
「アホ!でかい声出すな!隠れて出てきた意味がねーじゃねぇか」
「あ、そうだった…」
「…しかしなんであいつらには内緒じゃなきゃいけねぇんだ?」
「え…その、何か恥ずかしかったから…」

また降ってくる盛大な溜息。

「なら、場所を変えるんだな。ここで歌ったらすぐにばれるだろ」
「あ、そうだよね!どこにしようか…あ!じゃあさっきの泉のとこ!」


そうして私達二人は先ほど行った泉の方へ向かうことにした。

ちなみにブゥは今森の中をお散歩(お食事?)中のよう。
そういえば、こうしてラグと二人きりになるのは、久し振りな気がした。

(ん?いつもはブゥが居たから、ホントの二人きりは初めてになるのかな?)

…そう思ったら、少し緊張してきた。
先生になって欲しいなんて頼んでしまったけれど、彼はどう見ても優しく教えてくれるタイプではなさそうだ。

(……あんまり怖かったら、小さくなってもらお)


そんなことを考えているうちに泉のほとりに到着する。
先ほどは無かった月が水面に映って、一瞬別の場所のような感覚に囚われた。

ラグはくるりとこちらを振り向くと、すぐに講義を開始した。

「んじゃまず、簡単に術の基礎を教えるぞ」
「はい!先生!」

私は姿勢を正してびしっと手を挙げる。だが、

「や、先生はいいから…」

と脱力するように言われてしまい慌てて謝った。
ラグは咳払い一つして続ける。

「セイレーンもオレ達と同じ術士だ。基本は変わらねぇだろう」
「あ、そうなんだ」
「術ってのは基本万物の力を借りて使うわけなんだが、そのためにはその何かに気に入られなきゃならねぇ。風だったら風に。木だったら…木にな」

言いながらすぐ横にあった木に優しく手を触れるラグ。
そういえば、彼は術を使うときいつも別人のような優しい目をする。

「まぁ、これはそいつの生まれ付いての才能の差が大きいんだが…」
「じゃぁ、ラグは生まれてからずっと色んなものに気に入られてるってこと?すごいね!」
「ま…まぁ、な」

ラグは照れてしまったのか、ふいと私から視線を逸らした。

(お?)

私はそんな彼を見て思い出す。
前にも術を褒めたときに急に機嫌が良くなったことがあった。
…ひょっとして彼は術のことで褒められるのが単純に嬉しいのかもしれない。

誰だって自分が得意なものを褒められたら嬉しくなるのは当然だ。
だが彼の場合はそれが酷く意外で、そしてちょっと微笑ましい気がした。

(…そんなこと、絶対言えないけどね)

心の中でこっそり笑いつつ、私はもうひとつ、あることを思い出していた。

「そういえば、ライゼちゃんも同じこと言ってたね。術士は万物に好かれる存在だって」
「そう…だな」

急に、ラグの顔色が変わった気がした。
私はそれを見て、ずっと気になっていたことを聞くことにした。

「ねぇ。ライゼちゃんは、魔導術士のことが…嫌いなの?」


NEXT


以下あとがきです♪
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My Favorite Song 26-1

2007–08–03 (Fri) 03:17
テントの中はエアコンが効いているわけもなく、外と同じくムッとした暑苦しさがあった。
私は流石に耐えられそうになくて思い切って聞く。

「ライゼちゃん、その…お風呂とかっていつもどうしてるの?」

見回したがテント内にそれらしき部屋は無さそうだった。

「そうだな、私も汗を流したいが…」

セリーンも汗で額に張り付いた前髪を払いながら言う。

「あぁ、気が利かず申し訳ありません。私はいつも少し行った先にある泉で身を清めています。すぐにご案内いたしますね」

(やった!!)

私は心の中で歓声を上げた。



「うわぁ!キレイ!」

その泉は森の中に隠れるようにひっそりと存在していた。
鬱蒼とした木々やその先の星空を映した澄んだ水が風に静かになびいている。
流石に温泉というわけには行かなかったが、この暑さなら水風呂でも風邪をひく心配は無いだろう。

「この辺りにモンスターは出るのか?」
「いいえ、その心配はありません。この辺り一帯は、ビアンカが守ってくれているので、他のモンスターが入ってくることはありません」

所謂、縄張りというやつだろうか…?
私はビアンカがこの周囲をあの長い胴でぐるりと囲ってくれている絵を想像する。

「じゃあ、皆で一緒に入れるね!」

私はなんだか急に楽しくなって二人に言った。


…そして、私達はライゼちゃん、セリーン、最後に私の順番でその泉に足を踏み入れた。

「うひゃ…!」

思わずその冷たさに声が出てしまう。
この暑さで水温も上がっているのではと思ったのだが、大間違いだった。
深さは立っている状態でお腹くらい。
全身浸かるまでは勇気が要ったけれど、入ってしまうとひんやりしてとても気持ちよかった。

上を向くとチカチカと輝く星空が見えた。…ここからでは月は見えないようだ。

視線を戻すとセリーンもライゼちゃんも気持ち良さそうに目を閉じていた。
そのままふと二人の体系を見て私は軽くショックを受ける。
…セリーンは言うまでもなく抜群のスタイル。
更にライゼちゃんまで細身なのにその胸は私よりどう見ても大きかったのだ。

(…この世界の人って、皆スタイルいいのかなぁ〜)

私はお腹の辺りの余計なお肉を指でつまんでみる。
それでも、この世界に来てから確実に体重は減っているはずだ。

(帰れる頃には私もスタイル良くなってたりして!そしたら皆に自慢しちゃおう!……
…帰れる、よね…?)

―気づけば、もうこの世界に来て半月が経とうとしている。

お母さん、お父さん、学校の友達、きっと皆心配しているだろう。
…そんなことを考えていたら、不覚にもまた視界が潤んできてしまった。

私は勢いつけてザバンと頭まで泉に浸かる。

「どうした?急に」

顔を出すとセリーンとライゼちゃんが心配そうな顔を向けていて、私は慌てて言い繕う。

「ううん、なんでもない!気持ち良かったからつい!」

すると、ライゼちゃんが可笑しそうにクスクスと笑った。

「カノンさんは本当に、私の想像していた【銀のセイレーン】とは違っていました」
「あっはは…それ、ラグにも良く言われるんだ。“お前、本当に銀のセイレーンか?”って」

私がラグの物まねをしながら言うとライゼちゃんが首を横に振った。

「いえ…私は心から、カノンさんが銀のセイレーンで良かったって思っているんです。明日から宜しくお願いします」

頭をぺこりと下げられて、私はどきりとする。

「あ、でもホント、全く役に立たなかったらゴメンね!精一杯がんばるつもりだけど!」

するとライゼちゃんはまたにっこりと笑ってくれた。
…その笑顔は何度見ても可愛らしくて、きっと男の子なら確実にクラっときてしまうのではないかと思った。

そしてふと頭に浮かんだのは、あの男の子…。

「ねぇ、ライゼちゃん。あのブライト君のことなんだけど」
「はい?」
「幼馴染って言ってたでしょ?ってことは昔からお互いのこと知ってるってことだよね!」
「はい、そうですが…」

きょとんとした顔のライゼちゃんに私はニヤニヤと笑って続けた。

「二人とも、好きとか、そういう気持ちはないの?」

途端、ライゼちゃんが慌てたように首をぶんぶんと横に振るう。

「あ、ありません!!そんな、ブライトは私のことをそんな風には見ていませんし、私も考えたこともありません!」
「え〜?そうなの〜?」

ちょっと意地悪そうに言ってみる。

(私が見るに、少なくともブライト君はライゼちゃんのこと好きだと思うんだけどなぁ)

まだ彼の姿を見たのはあの時一度だけだが、あの心配の仕様は幼馴染とか、神導術士だからとか、そういうもの以上の感情があったように思えた。
…だが、

「そうです!…それに、私にはもう婚約者がいますから」

恥ずかしそうに俯いて言うライゼちゃんに、一瞬思考が止まる。

「ええええぇぇ!?」
「ほぉ?」

私の大声と、それまで黙っていたセリーンの面白がるような声。

「ら、ライゼちゃんて今いくつ!?」
「私は今13です」
「13で婚約者!?」
「はい…私は早くに子を生まなければならないので…」
「あ…」

ライゼちゃんのそのはにかんだ笑顔を見て、急にさーっと血が引いていく気がした。

(そうだった…ライゼちゃんは…)

瞬間謝罪の言葉を口にしそうになって、寸前で止める。
ここで私が謝るのは、何か違う気がした。

「…婚約者かぁ、その人、良い人?」
「はい。少し無口ですが、優しい人です」
「そっか…」

少しの間の沈黙。
今まで気にならなかった虫の声が煩いくらいに耳に響く。

13歳。
日本で言うと、まだ中学一年生くらいだ。
私はその頃、何を考えていただろうか。
きっと、友達と遊んで、勉強して、他愛も無いことで喜んだり悩んだりしていたはず。


…ライゼちゃんはその小さな身体に、一体どれ程のものを背負っているのだろうか…。


結局、沈黙に耐えられなくなったのは私だった。

「そ、そういえばさ、ラグたちはお風呂どうしてるんだろう。ここの他にもこういう泉あるの?」

話題を変えるために、何気なく言った言葉だった。
だが、ライゼちゃんは急に焦ったように立ち上がった。

「そ、そうでしたね。そろそろ出ましょうか。ひょっとするとラグさんも此処へ入りに来るかもしれません」
「ぇ…ええぇ!!?」

私は思わずまた大きな声を出してしまった。

(そ、それはマズいよ…!)

ラグもフェルクに着いてからずっとこの暑さを気にしていた。
私達と同じようにこの泉の場所を聞いて来る可能性はすこぶる高い。

私はそそくさと泉から上がると、ライゼちゃんが貸してくれた、この国の服を素早く着込んだ。
セリーンもライゼちゃんも続いて泉から上がる。
私達はそれぞれ今まで着ていた服を泉で簡単に洗い、テントに戻ることにした。

心地よい程度に冷えた身体と風通しの良い服のお蔭で、帰りの道のりは行きに比べかなり快適だった。
…が、その途中、ブゥを頭に乗せたラグがこちらに歩いてくるのが見えて、私はドっと冷や汗をかいた。

「ら、ラグ達も泉に行くの?」
「ぶぅ!」
「あぁ、こっちでいいんだよな」
「うん、ここまっすぐ行ったとこ!すっごい気持ち良かったよ!」

私は内心の動揺を悟られないよう笑顔で言う。
と、セリーンが私の後ろでふっと笑った気がした。

「貴様、運が悪かったな」
「あ?」
「もう少し早く来ていたら、良いものが見られたのになぁ」
「セリーン!?」
「ま、確実に血を見ることになっただろうが」

ラグは最初その意味がわからなかったのか、思いっきり眉根を寄せた。
が、すぐに気づいたみたいだ。

「アホか!いつ来ようがオレの勝手だろう!知るかっ!」

そのままふんっと私達の横を通り過ぎようとする。

「一緒に入りたければあの子の姿で来るんだな」

セリーンの冗談なのか本気なのかわからないセリフを思いっきり無視して、ラグはさっさと泉の方へ消えてしまった。

ふぅと思わず安堵の溜息が漏れる。
折角さっぱり気持ち良くなったのに、なんだか変な汗をかいてしまった。



…そして。
私はライゼちゃんとセリーンが眠ったのを確認し、そっと起き出した。
テントを出て辺りをきょろきょろ見回すとすぐに彼の姿を発見した。

「ラグ!」


NEXT


以下あとがきです♪
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My Favorite Song 25-4

2007–08–01 (Wed) 01:42
「本当に黙って出てきちゃったんだね」
「はい。言ってしまったら、反対されることはわかっていましたから…」
「僕もお父さんもビックリしたんだよ!いきなり姉ちゃんがランフォルセまで行くっていうからさ」

ラウト君が器用に後ろ歩きしながら私に言った。
ビックりした、なんて言っているけれど、本当は嬉しかったのだろう。
ラウト君の表情からそう感じて私は「そっか」と微笑んだ。


そして、あの上空から確認したテントの前までやってきた私達。
そのテントの先は見上げるほどの高さがあり、こうして近くで見ると結構な迫力があった。
しかし細長い形のため床の面積はそこまで広くないように思えた。
この人数で果たして寝られるのだろうかと不安になったときだ。

「申し訳ないのですが、ここには女性しか入ることができないのです」

ライゼちゃんのその言葉にラグの眉がぴくりと上がる。

「お兄さんとブゥは僕とお父さんと一緒ね!ほらあそこに見えるでしょ?あそこが僕達の家」

ラウト君が指差したほうには確かにもうひとつ家らしきものが確認できた。
そちらはテント形ではなく、丸みのある木造の建物だった。

「え?別の家に住んでるってこと?」
「はい。遠い昔から神導術士はここに。その家族はあちらにという決まりになっているのです」

……家族なのに別の家で過ごすなんて、近くとはいえ少し寂しい気がした。
これもライゼちゃんが特別な存在だからなのだろうか。

先ほどのブライト君も彼女のことを「ライゼ様」と呼んでいた。
そんな彼女に「この国の人たちを助けて欲しい」とお願いされ私は今ここに居る。
そう思ったら急にまた不安になってきてしまった。

「ライゼちゃん、明日私は何をすればいいの?」

胸を押さえながら聞く。

(まさか、ステージの上で歌うなんてことはないよね…?)

すると、私の不安を読み取ってくれたのかライゼちゃんが優しげに微笑んだ。

「明日は、まずブライトに話をしようと思います。カノンさんが銀のセイレーンであるということも…」

聞くと、ブライト君はライゼちゃんと国の人たちとの間を行き来する、所謂パイプ役を担っているのだそうだ。
そしてライゼちゃんのボディーガードでもあるらしい。

「その後で、少しずつ民の皆にカノンさんの歌を聞いてもらおうと思っています」

少しずつ、という言葉にほっとしながらも、やはり肩が少なからず重くなった気がした。
でもやると決めたからには、と自分を叱咤する。

(がんばらなきゃ!)

…そしてそのために、ひとつやらなければならないことがある。


「じゃあ姉ちゃんまた明日ね。おやすみなさい!お父さん行こう!」

ラウト君に手を引っ張られながらヴィルトさんがそちらに足を向ける。
と、

「父さん、ラウト!本当にありがとう!」

ライゼちゃんが笑顔で言った。
ラウト君は振り返ってにーっと笑い、ヴィルトさんもふっと表情を和らげた。

次いでラグもこちらに背を向ける。
私はそれを慌てて呼び止めた。

「あ!ラグ!!」

すると彼は「あ?」と相変わらず不機嫌そうにこちらを振り返った。
私は彼の近くまで小走りで行き、皆には聞こえないような声で言う。

「あのね、お願いがあるの。皆が寝た後でまたここに出てきてもらってもいい?」
「?…あぁ」
「ありがとう!じゃあねブゥ!」
「ぶっ」

怪訝そうに眉根を寄せながらも頷いてくれたラグに満足し、私はセリーンたちの方に戻った。


…そう、ビアンカに乗っている間ずっと考えていたことがある。
私は「よしっ」とひとり気を引き締めて、そのときを待つことにした。


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